早起きは三文の得というが、トレーダーの朝は総じて早い。これはトレーダーが朝に強い体質というわけではない。朝の対応で利益や損失が大きく変わってしまうからだ。三文の得どころの話ではないのだ。
というわけで今回は、トレード初心者が朝に特に気をつけるべき、スワップポイント、スプレッド、サマータイムについて整理する。
スワップポイント
スワップポイントはポジション所持したまま日をまたいだ際に発生する、通貨同士の金利差などによる損益である。
FXをやっていると、なぜか知らない間にお金が少し減っていたり、逆に増えたりしていることがあるだろう。あれはスワップポイントが発生しているのだ。
スワップポイントのプラスとマイナス
基本的にスワップポイントがプラスかマイナスかは、通貨ペアの金利差によって決まる。
例えばドル円(USDJPY)の場合、米国金利 > 日本金利 のため:
- Long(買いポジション)の場合はプラススワップ
- Short(売りポジション)の場合はマイナススワップ
となる。
朝との関連性
スワップポイントは通常、日本時間の朝に確定する。たとえば朝6時にスワップポイントが発生する場合:
- 朝6時より前にポジションを決済すれば、スワップポイントは発生しない
- 朝6時以降にポジションを決済すれば、スワップポイントが発生する
となる。実際何時にスワップポイントが発生するかはブローカーや通貨ペア、サマータイムかどうかによって変わるので必ず確認が必要だ。
スワップポイント獲得作戦
それなら、Shortはせずにドル円をLongだけしてポジションをずっと持っておけば儲かるのでは、と思うだろう。
個人的にはそれは一つの作戦としてありだと思っていて、長期的な視点でドル円が下がらないと判断すれば、スワップポイントを毎日少しづつもらい続ければよい。
ただし通常はスワップポイントで得られる利益より、価格変更によるプラスマイナスの方が遥かに大きいので、あまり積極的にこの作戦をやる人はいない。
スワップポイントが両方マイナスになる場合
金利差が小さい通貨ペアやブローカー手数料が高い場合、LongもShortもマイナススワップになることがある:
- EURUSD: ユーロ圏と米国の金利差が小さいため、両方向ともマイナスになりがち
- マイナー通貨ペア: 流動性が低いため、ブローカー手数料が高く設定される
- 高レバレッジ取引: レバレッジが高いと手数料の影響も大きくなる
このような場合は、スワップポイントを狙った戦略は適さない。
スプレッド
スプレッドは改めて説明不要だと思うが、買い注文(Bid)と売り注文(Ask)の価格差のこと。売り買いすると必ずスプレッドの分マイナスになる。
スプレッドは通貨ペアによって異なり、大きければ大きいほど売り買いした際のマイナスが大きくなる。
朝のスプレッドについて
朝に日付をまたぐタイミングではボラティリティなどの理由でスプレッドが通常より大きく広がる。このときにうっかり取引してしまうと通常よりも大きく損をすることになる。
例えばOANDAの場合、サマータイムの今は6時までは通常のスプレッドだが、6時をすぎると取引が極端に少なくなりスプレッドも急激に広くなる。そして7時をすぎると元に戻る。そのため、取引をする場合は7時以降に、かつきちんとスプレッドが戻ったのを確認したうえで行う必要がある。
サマータイム
欧米のサマータイムにより、日本でもFX市場の日付変更時間が夏と冬で違う。
これが非常にややこしいのである。
「日付変更」は、ニューヨーク市場のクローズ時間(午後5時 NY時間)を基準としている。つまり、ニューヨーク午後5時 = 日本時間午前7時(冬)/午前6時(夏)となる。
日本におけるFXの日付変更時間
時間帯 | 内容 | 時刻(日本時間) |
---|---|---|
サマータイム(夏時間) | 2025年3月10日(月)〜11月2日(日) | 午前6時 |
標準時間(冬時間) | 2025年11月3日(月)〜 | 午前7時 |
つまりFXにおいても日付が変わるのが夏は6時、冬は7時となる。これを把握していないと先程のスプレッドやスワップポイントの扱いで失敗してしまうことになりかねない。
まとめ
FX取引では、スワップポイント、スプレッド、サマータイムの3つの要素を常に意識することが重要。特にデイトレードやスイングトレードにおいては、これらの要素が利益に大きな影響を与えるため適切なタイミングで取引を行うことが成功の鍵となる。
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